まま守り

不快性射乳反射って、ご存じですか?

助産師2年目の時に、第1子を妊娠・出産・育児を経験しました。
助産師やから、妊娠なんて全然大丈夫!出産の時は、全開で入院して、超スピード出産!こんな甘い甘い考えをことごとく、打ち砕かれ、まっさらな気持ちで育児を経験していました。

なんとか母乳育児に少しづつ慣れてきた産後2ヵ月ごろ、授乳を行っているときに、毎回っていうわけではないんですが、ぞわぞわっとしたり、嘔気催したり、吸啜しているわが子を見て、イライラしたり、「なんでそんなに吸っている?」みたいな他人をみる感じで、「授乳していて幸せ」なんて本当になかった。どうにかして、母乳育児続けるために、テレビをつけたり、音楽聞いたり、遠くを見たりなど、授乳に集中しないようにしながら続けました。そして、職場復帰して、数人のママさんから、泣きながら母乳育児やめたい。本当はやめたくないけど、続けられないなどの意見を聞いたとき、私自身も悩んでいたことを思い出しました。

「不快性射乳反射」(D-MER)、主に母乳射出時前後のみに起こる不快感の総称で、その症状は、背中がぞわぞわする感じ、不安感、形容し難い不快感、焦燥感、めまい、吐き気、など非常に多種多様な不快を示す。その不快感は母乳を与えている間のみに起こり、産後うつや母性の有無とは全く関係はない。

そして不快感自体も、ギリギリ耐えきれるという人から、ある日突然授乳が不快感で全く無理になったという人まで多岐にわたるとのことです。

ではなぜ、D-MERは起きるの?母乳は、プロラクチンという女性ホルモンの他、幸福感や心の安定に関係するドーパミンやオキシトシンといったホルモンの影響も大きく受けて作られていますが、人間の体内で産生されるホルモンは非常に繊細なもので、D-MERはこれらのホルモンのバランスが取れていないがために起こると考えられています。
しかし、詳しい事はまだ完全には解明されていないようです。ある調査によると、母乳育児をしている女性の9%くらいがD-MERで困っているという調査結果も出ています。一人で悩まないで、ぜひともご相談ください。
 
まま守りサポーター
溝口まき

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